濃縮純米熟成酒JO-CONとは
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日本酒の魅力と「ジョウコン」の可能性
移り変わる四季とともにはぐくまれてきたわが国の食文化。旬の食材を愛でながら楽しむ日本料理に寄り添うようにして、日本酒もまた季節感のある酒として親しまれてきた。日本酒の特徴を挙げるとするならば、まずは「しぼりたて」「冷やおろし」といった、季節に応じて酒質の変化が楽しめるところにあるのではないかと思う。また冷やから燗まで幅広い温度で楽しめるところも、間違いなく他の酒類とは異なる日本酒の大きな長所であるといえるだろう。ことに冷や燗ともに細かく温度帯が分かれていて、「雪冷え」「花冷え」「日向燗」「人肌燗」など、それぞれに風情のある言葉が用意されているところは、酒を楽しむ豊かな文化性や、微妙な香味の違いを飲み分ける感性の高さを持つ民族として、私たち日本人が大いに誇れるところではないだろうか。
これら独自の特徴に加えて、最近の日本酒にはもう1つ大きな魅力があるように思う。それは酒質のバラエティーである。濃醇なものから淡麗なもの、香りの高いものから酸の強いものまで、その酒質は非常に多様性がある。日本酒はワインをはじめとする他の醸造酒に比べ、香味の幅が狭く個性が少ないという人もいるが、近年日本酒は全体の品質が著しく向上しているだけでなく、長期熟成酒や麹歩合を高めた濃厚な甘口酒、低アルコールで発泡性のある酒、赤米や紅麹、特殊な酵母で仕込んだ赤い色合いの酒など、個性的な酒がいろいろと登場しそれぞれにファンをつかみ始めてきている。
このように多種多彩な酒が登場してきた背景には、私達の嗜好や生活様式の多様化があるといえるだろう。食生活を眺めてみてもオーソドックスな和食以外に、中華、イタリアン、各種エスニック料理など、ごく日常的にさまざまな料理に親しむ環境は整備されている。また酒を飲む場面も多様化し、恋人と飲む時と仕事関係で飲むのとでは場所や気分が違ってくるだけでなく、選ばれる酒も異なってくるだろう。つまりはさまざまなシーンに対応する酒が望まれるわけであり、酒質の多様化に伴い現在の日本酒も細かなシーンに応じて、飲み分けることのできる酒になってきたように思う。
さてそのような状況の中でデビューした「ジョウコン」。そもそもアルコール度数38.2度の酒ということだけでユニークな存在なのだが、一口目の印象がアルコールの高さに圧倒されるのではなく、蒸留酒にはない濃縮感のある旨味にまず驚かされる。さらにその香りと味わいの中に香ばしいナッツのような感触と、ハチミツのようなピュアな甘みが感じられる点に意外な印象を受ける。醸造酒と蒸留酒の中間的な酒かと思えば、日本酒の味わいをぐっと凝縮した酒というのが率直なイメージだ。
聞けば無濾過生原酒を長期間熟成させている酒であるという。生酒ではあるものの高アルコールであるために長期熟成や常温流通にも耐えられる、一見すると捉えどころのないような酒であるが、飲み方も水割りやお湯割りに対応できるほか、生で飲んでもスモークした料理やスパイスの効いたものなど、一般的な日本酒では難しいと思われるものでもよくマッチする。また生のまま燗をつけてみると、さらにいろいろな料理との接点が広がりそうな、懐の深さを感じさせる酒である。
おそらくその秘訣はアミノ酸の高さにあるのだろう。高アルコールでありながら思いのほか刺激が少なく十分な旨味があり、料理とのマッチングの幅が広いのは、アミノ酸度5.3という驚くべき数値に由来するのではないかと思う。元来日本酒はアミノ酸の多いところが特徴だが(それも他の酒類とは異なる大きな魅力でもあるのだが)、そこから考えるとこの酒は日本国内にとどまらず、海外でもそれぞれの土地の料理によく合い、食中酒としての汎用性が高いと評価されるのではないだろうか。
海外におけるSAKEの消費は年々増え続けている。それは外国の人たちも日本酒の旨さに気が付きはじめ、食中酒の1つとして認知されてきたからである。豊富な旨味を備えた「ジョウコン」は多様な飲み方ができる酒として、また多彩な料理と楽しめる酒として、新しい日本酒の可能性の扉を開いていくことを期待している。
酒類評論家
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