濃縮純米熟成酒JO-CONとは
|
自由自在に飲んでみよう
変な表現になってしまうが、飲んだ瞬間、お酒らしいお酒だなあ、という感想を持った。アルコール度が高い分、蒸留酒のイメージも湧いてくるが、醲献はまぎれもなく醸造酒であり清酒なのである。お米のうま味成分が口中ぐっと拡がって、とにかく美味い。このままストレートでいつまでも飲んでみたいとも思ったが、調子に乗って飲んでいたらこちら側が途中で参ってしまう。ロックスタイルにして氷を3つほど入れてやってみた。ほのかに漂う香りは氷が溶け出してしばらくしてもほとんど変わらない。いい感じである。もっと薄めても飲めるのではないか。また氷を2つ追加して飲んでみた。当然、アルコール度はどんどん低下していくが、味は崩れる事がない。軽快になっていくだけである。
さて気になる酒肴だが、ストレートで飲んでいるうちはお酒自身が濃醇だから風味の強い味の料理で、というのが一般的だが、もちろんその手の料理もさっと口の中を洗い流してしまうのだが、試しに白身魚の刺身でもやってみた。これがまたイケるのだ。お酒だけが強調されて肴の味やうまさが感じられなくなる、なんて事はなかった。お酒のうま味と白身魚の微妙な味わいが渾然一体となって、味わう事のうれしさが湧いてくる。
ふと飲んでいくうちに思ったのだが、焼酎やウイスキーのように自分の好みの濃さに調整して飲めるのがこの醲献の魅力の一つでもあるだろう。しかも同じ薄めるにしても焼酎やウイスキーのように味が薄っぺらになっていくという事がない。お米のうま味がしっかり残っているから料理との相性も選択肢が幅広く、もっといってしまえば、この醲献を前にしたら、どんな料理も持ってこい、という気になってくる。ほとんどの酒肴にこのお酒はピタリと合うと思う。土台、お酒と料理の相性などといったところで、個人差のある好みの問題が絡んでくるだけに絶対的な相性などあるわけがない。
私はお酒のマーケッターでもあるわけだから、この醲献の適正価格もいい当てなければならない。高すぎれば売れていかないし、安過ぎたら長く続かない。単純に製造上のコストをみていけば、通常の清酒の3.5倍を使用するわけだから、1.8リットル2800円の純米吟醸だとすれば9800円。それに新技術関連のコスト、酒税等を加算すれば1.8リットルで1万2千円ほどになる。醲献500mlなら5000円前後が妥当となってくる。この価格なら市場に出回っているさまざまな熟成酒と比較しても違和感はない。もちろんやすいと思う人もいるだろう。
ギョーカイ的にいえばこの手のタイプのお酒はもっと出回ってほしいと思う。冷たくして飲む事に気をとられていたが、温めて飲むという手もある。2.5倍ほどに薄めてお燗酒を楽しむのもおもしろいと思う。自分の好みに合わせて自由自在に何でもあり、醲献はそんな魅力あるまったく新しいタイプのお酒の登場といっていい。
名酒センター代表
月刊ビミー編集長
|